八丁堀七不思議と間米の玄関
どんな伝承か
中央区の八丁堀にも七不思議が語られてきた。奥様がいるのに殿様がいない、女湯に刀掛けがある、金で首がつながる、地獄の中に地蔵橋がある、貧乏小路に提灯掛横町がある、寺があるのに墓がない、といった具合である。古老はこのうちの一つに間米の玄関を数えた。手柄を立てた同心の間米藤十郎が奉行から望みを問われ、与力になって玄関のある家に住みたいという意で玄関が欲しいと答えたところ、奉行は玄関だけを与えたので、与力にもなれず玄関は裏口に付けられたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。