大国魂神社の七不思議と松の忌み
どんな伝承か
府中市の大国魂神社には七不思議が伝わる。くらやみ祭の翌日の御田植祭で、裸の男児たちが植えたばかりの田で相撲を取り苗を荒らしても、翌朝には苗が真っ直ぐ立ち直り、乱雑に植えた列も縄を張ったように整ったという。拝殿前の樅の大木からは四季を通じて雨のような雫が落ちる。境内の大杉の根は参道に姿を見せず、鳥は社殿に糞を落とさない。源頼朝が奉納した矢が根づいた矢竹は石囲いの外へ出ない。大銀杏の根元の蜷貝は乳の出ない産婦に効く。八幡神を待ちあぐねた大国魂の神が松を忌んだので、境内に松はない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。