雷山の麓で西行が引き返した坂
どんな伝承か
西行法師が筑前を巡り歩いていたころ、雷山の秀麗な姿を仰いで名歌を作ろうと、腕を鼻にかけて麓まで来た。そこへ麦刈りの少年が通りかかったので行き先を尋ねると、少年は「冬茂る夏草風の根を刈りに行く」と珍しい句を返した。子どもですらこれほど難しいことを言うのなら、山へ登ればどんな目に遭うかしれぬと西行は山を下り、その場所を西行戻しと呼ぶようになったという。少年は雷山千如寺の本尊、清賀上人作の千手千眼観世音菩薩が、高慢な心を懲らすために現れた姿だったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。