白鹿が身代わりになった橋
どんな伝承か
ふしぎ橋は毎年秋になると洪水で流されてしまうので、人々は神に伺いを立てた。集落の十八歳の娘を人柱に立てよ、との告げであった。その年ごろの娘は源兵衛の一人娘お光のほかにいない。親子は毎日泣き暮らし、ついに源兵衛は熊野権現に二十一日のお籠りをした。満願の朝、夢枕に立った権現は、当日は使いを遣わすから案じるなと告げて消えた。人柱の日、にわかに空がかき曇り、巨大な白鹿が二頭走ってきて穴へ飛びこんだ。人々はその上に柱を立てて橋を架け、以後この橋が流されることはなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。