瓜の蔓を登った犬飼と七夕さん
どんな伝承か
七夕さんが天から下りて着物を脱ぎ水浴びをしていると、犬を連れて畑打ちをしていた犬飼がその着物を隠した。天に上がれなくなった七夕さんは犬飼の嫁になり子を生む。子が五、六歳の頃、犬飼がそっと着物を見せたため、子が母に告げ、七夕さんは裏藪の石の櫃から着物を取って天へ帰った。嘆く犬飼に隣の五助爺が知恵を授け、瓜の根に草鞋を埋めると瓜が天まで伸び、犬の尾につかまって上った。縦に切った瓜が天の川になり、二人は川越しになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。