備前守が植えたボンボン欅
どんな伝承か
「あれさご覧よボンボン欅、浮いたうわさも知らぬ顔」と富田音頭に歌われる大欅が、富田町大島にあった。根廻り十五メートル、樹高七十メートル、樹齢六百五十年という。天正の昔、備前館の城主鈴木備前守が伊達政宗に追われてこの地に館を構え、のちに和議がなった記念に植えた一本であると伝えられる。備前守にゆかりのある家には政宗から贈られたという水晶の玉が家宝として伝わり、近くの旧墓地には備前守をまつった五輪塔の墓がある。欅は昭和三十一年に県の天然記念物に指定されたが、老木で危険との理由から昭和四十年に指定を解除され、昭和四十四年に伐採された。
原典より
あれさご覧よボンボン欅、浮いたうわさも知らぬ顔。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。