大蛇が舌で受け止めた落石
どんな伝承か
湖南町三代の宿を通り過ぎ、国道二九四号線を勢至堂峠へ向かって三キロメートルほど行くと元唐沢の部落に入る。その手前、東の山の中腹に石があり、土地の人々は蛇がぼり石と呼んでいる。昔、この山にたむろしていた大蛇が、上から転げ落ちてきた二つの岩石を、途中で舌を出してがっちりと受け止めたという。二つの石は左右十メートルほど離れて上と下にあり、今もその舌の跡が残ると伝えられている。そのおかげで山麓の人々は難をまぬがれ、後々まで幸福に暮らすことができたという。
原典より
湖南町三代宿を通り過ぎて、国道二九四号線を勢至堂峠に向って、三キロメートル程行くと元唐沢部落に入る。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。