盗賊の屋敷跡から出た二つの石
どんな伝承か
戦国の頃、逢瀬町河内の日室に、がにしろうべえという盗賊の頭が住んでいた。世が乱れて殺伐の気が満ちていたのを幸いに、会津から安積一帯にかけて荒らし回り、戦があればすぐに出没して所かまわず盗みを働いたので、人々から恐れられていたという。その本拠地は河内の日室にあったと伝えられる。今、河内の塩の原部落の橋本栄四郎宅の庭に、直径八十センチほどの石臼のような形の石と、一メートルほどの石がある。この二つの石は、がにしろうべえの屋敷跡から出てきたものだといい伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。