西平の洞窟に棲んだ大蛇と赤沼不動
どんな伝承か
赤沼部落の北西に西平という所があり、大平との村境になっている。大滝根川東岸の山林地帯で、そこに赤沼不動尊がある。付近には巨岩奇石が露出し、その下部には大人が入れるほどの洞窟が二つあって、深さは誰も知らない。昔、この不動に大蛇が棲み、年を経るにつれて化身しては里に出て婦女子を襲うようになった。田草とりの帰りに若い男に襲われかけた嫁が機転で難を逃れたことから、部落の人々は大蛇の化身だとして山に火を放った。大蛇は全身に火傷を負って川を渡り、田の中で絶命した。太さは二升樽ほど、長さは五、六間もあったという。その田はケチ田と呼ばれ、一人で作れば祟られるという。
原典より
赤沼部落の北西に、西平というところがあり、大平の村境になっている。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。