旅人を殺した喜四郎宿
どんな伝承か
昔、富久山の牛ヶ池部落と山の井の川坂部落の村境、奥州街道の東沢の杉林の中に、喜四郎宿という木賃宿があった。主の喜四郎は五十を越えた独り暮らしで、旅人を泊めてはいつも賭博をしていたという。ある日の夕暮れ、雪の降るなかを一人の旅人が泊まった。喜四郎はその人と賭けたが一度も勝てず、悔しさのあまり夜中にこの旅人を殺して金を奪った。こうしたことが二度三度と重なるうちに二本松藩の知るところとなり、喜四郎は捕らえられて死刑になったと伝えられている。
原典より
昔、富久山の牛ヶ池部落と山の井(日和田) 川坂部落の村境、奥州街道の東沢の杉林の中に喜四郎宿という木賃宿があった。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。