女谷上野のヤウチマツリと賭事の予兆
どんな伝承か
柏崎市女谷上野では同族集団をヤウチといい、宮嶋ヤウチは天神社、武田・大野ヤウチは金山社、横田・中村ヤウチは十二社を祀っていた。四月十八日のヤウチマツリでは、前日から各家が精進潔斎し、当日は決められた宿に集まって天神様と黒姫神社の掛軸を掛け、御神酒や灯明、精進料理の膳を供えて祝詞をあげる。直会には酒が出て、破目をはずすほどの賑やかさで博奕や宝引が行われた。宮嶋ヤウチでは賭事をしないとその年の作が悪いといわれ、金山彦命を祀る武田・大野ヤウチでは、酒を飲んで喧嘩をするほどにならないと作が悪いといわれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。