山鳴りとキツネの声で読む予兆
どんな伝承か
気象情報が未発達だったころ、天候の予測は人々の生活に欠かせなかった。農業地帯では、月山に牛が寝そべった形の雲が出ればその年は大雪になるといい、山がゴーゴー鳴って細かい雪が降り始めるのも大雪の兆しとされた。半農半漁の地では、川魚が跳ねれば天候が下がり、アユが大漁なら三日後にシケが来るという。漁業地帯では海鳴りや山鳴りで風の大きさ・方向・遠近を調べ、太陽や月に笠がかぶれば台風の前兆とした。豊凶ではキツネの鳴き方が農漁を問わず問題にされ、コンコン鳴けば豊作・大漁、ギャーギャー鳴けば凶作・不漁とされた。
原典より
気象情報が未発達だった頃、天候の予測は人々にとって日々の生活に欠かせないことであった。—— 宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。