トップ山形県の伝承高畠町

内敷の鼠穴が告げた豪族の零落

所在地山形県東置賜郡高畠町大字船橋
年代伝承(上杉家の時代)
登場黒田番内、西来院の方丈
出典高畠町伝説集

どんな伝承か

黒田番内は屋代郷の豪族で、亀岡の船橋に屋敷だけで五反歩を構えていた。屋敷の周りには濠が巡って土手が築かれ、邸内には金蔵・穀蔵・道具蔵・文書蔵など五、六棟が建て込んでいた。上郷の上新田から移り住んだ人で、田は一万刈、山は数十町歩、下女下男を十五人ずつ抱え、金蔵の千両箱から上杉家にも金を貸したという。あるとき人を集め、千両箱の上に座って銭をまき「文珠さまと番内さまとどちらが有難いか」と問うと、人々は番内さまと答えた。旦那寺の西来院の方丈は、命日の経をあげようとして内敷に鼠の穴が数か所あるのを見つけ「こうなっては番内も長くはあるまい」と言った。以後、家は次第に零落し、広壮な屋敷も畑になったという。

原典より

黒田番内は屋代郷の豪族でありました。—— 高畠町伝説集(昭和三十二年(1957)刊/高島高校文芸班編) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

高畠町伝説集(昭和三十二年(1957)刊/高島高校文芸班編)

山形県東置賜郡高畠町(屋代・亀岡・和田・二井宿・糠野目・高安・露藤ほか各地区。一部は隣接の米沢市・南陽市宮内・長井市)に伝わる伝説を、神仏/人物/怪異/動物/什物/地物/地名/地誌 の八篇に分類して集成する。屋代神社の鬼女縁起、犬の宮・猫の宮、安久津八幡、狐狸むじなの化かし、天狗・怪物・沼の怪、青葉の笛や応挙の幽霊画、伊達・上杉の城館跡や古戦場、地名由来など、高畠の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を地区つきで網羅する。

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