福石
どんな伝承か
江ノ島の辺津宮の下には、管鍼法を広めた杉山流の祖・杉山検校の墓があり、そこから石段を少し上った所に牛の寝姿に似た臥牛石がある。盲目の検校は若いころ琢一に弟子入りして鍼を学んだが上達せず、ついに破門された。行き場を失った彼は江ノ島に渡り、弁財天に七日間断食して技の習得を祈った。満願の帰り道、弱りきった体でこの石につまずいて気を失い、何かに刺されて目を覚ました。探ると竹筒に入った松葉で、これをヒントに管鍼を編み出し、のちに将軍綱吉の持病を治して関東総検校まで出世した。この因縁から、石のそばで物を拾うと福が授かるといわれ、福石と呼ばれるようになったという。
原典より
塚についての伝説水につながる伝説 四七—— 神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。