黄金千両漆万杯とイモ穴の縦穴
どんな伝承か
相模原市上矢部には「朝日さし 夕日かがやく木の下に 黄金千両 漆万杯」という文句が伝わっている。誰が埋めた財宝とも、その場所とも明らかではないが、話を寄せ集めると、昔この土地に屋敷を構えていた長者か、討ち死にした武者が隠したものらしいという。十五、六年前、年寄りの筆頭格のKさん方で、庭に薩摩芋を貯蔵する芋穴を掘った。三メートル以上の深さに掘り下げたところ、六畳ほどの広さの不思議な竪穴が現われた。一方の壁には出入り口をふさいだような跡が残っていた。珍しい物が出るかと探したが何もなかった。庭先の柿の木のそばにも穴があり、そこからは百枚あまりの古い銅銭が見つかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。