無量寺の滝不動の霊験
どんな伝承か
横浜市南区蒔田町の真言宗南竜山無量寺の本尊不動明王は、滝の不動とも呼ばれる。明治の初め、近くの地主が病に伏し、家の者が医者よ薬よと手を尽くしたが、命は風前の灯となった。最後の頼みと、日ごろ信じる不動に枕元で祈っていると、不動の幻が現れ、自分は南竜山の主だが滝の下に埋もれて世に出られない、掘り出してくれれば病をすぐ治してやろう、と告げて消えた。家人が夜明けを待って寺の滝へ駆けつけ、その下を掘ると、言葉どおり像が出てきた。滝の水で清めてお堂に納めると、病人はたちまち快方に向かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。