無量寺のマクラ返し不動
どんな伝承か
横浜市南区蒔田町の無量寺は七百年以上の由緒を持つ寺だが、住職のいない時期がしばらく続いたことがある。その間、寺は村の若い衆の格好のたまり場となり、家を離れて気楽に過ごしたい若者たちがよく泊まり込んでいた。ある夜、その一人がうっかり本尊の不動像に足を向けて寝てしまった。ところが翌朝になると、体の向きが入れ替わり、足は反対の方を向いていた。誰が試しても、翌朝には必ず体の位置が逆になっている。そこでこの像はマクラ返しの不動と呼ばれ、いっそう敬われるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。