父昌幸の霊が宿り動かぬ真田石
どんな伝承か
小県の七不思議の一つ目、上田城の真田石の話。城を築いた真田昌幸は関ヶ原の戦いで豊臣方についたため紀州高野山での蟄居を命じられ、城は子の信之のものとなった。ところが元和八年、信之は松代へ移されることになり、父の形見として石垣にはまった八畳敷ほどの大石を運び出そうとした。しかし幾万人の力をかけても石は根を張ったように少しも動かず、信之はついに断念した。城を築いた昌幸の霊が宿る石だとされ、真田石と呼ばれるようになったという。
原典より
ところがこの石、幾万人の人力をもってしても、石に根が生えたように微動だにしなかったため、信之は遂にはあきらめざるを得なかった。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。