東谷の山の神祭りと山入りの忌み
どんな伝承か
小倉南区東谷では、一月・五月・九月それぞれの二十日は、埴山姫神の治める三千世界のあらゆる山の神々が休息する日とされ、山に入って木を伐ったり鉱物や資源を掘って持ち出すことを忌む。炭焼きや薪作りも禁じられる。山で働く人々は九月二十日に山の神祭りをする習わしで、組内だけで回り番の座元が祭りを催す。祭司は東大野八幡神社の神職が務め、正午過ぎから床の間の祭壇に海と山の幸、御幣、榊、お神酒を供えて降神の儀を行い、祝詞奏上、座元の家長の玉串奉奠、一同礼拝、昇神の儀と進んで、最後に神職を交えた直会になる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。