内山観音・小五郎の初の在所
どんな伝承か
深田から七八里離れた大野郡三重町の内山も、内山観音の縁起によれば炭焼小五郎の初めの在所であって、炭を焼いていた故跡は程近い神野の山家であったと伝える。しかもその焼いた炭をどうしたかということには考え及ばず、例の朝日さし夕日輝く云々の歌などによって、長者の財宝を埋めた地を見付けようと、そこらを掘り返した人が幾らもあった。明治の少し前にもこの内山で、金の蒲鉾形の物を多数発掘したことがあったという。それを買い取って外国人に売り、後に発覚して獄に投ぜられ、維新の大赦で出牢を許された人もあったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。