江戸深川釜屋堀と上総五井の祭市
どんな伝承か
江戸深川釜屋堀の鋳物師たちは、上総五井の大宮神社で十月十五日から始まる祭市と古くから関わりがあった。祭の当日に行われるツク舞の神事では、径八尺の麻布の球を柱に高く結びつけるが、この球の芯には必ず鍋釜を包む薦の残りを納めて詰めたのだという。宇佐神宮の御正体が黄金であり薦で包んだという古伝と結びつけて、柳田国男はこの鋳物師と薦編みの由緒を考察している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。