宮久保の橋名を持たぬ村
どんな伝承か
柳田国男が内郷村を訪ねた二月十二日の帰り道の記録。柳明の対岸の宮久保という村で、橋の下で葱を洗っていた四十余りの女に橋の名を問うと、「橋には名がありません、村は宮久保、さう謂ひます」と答えた。中国地方でいう「と抜け」のほかに、もとこういう言い方があったかと考えていた柳田は、それをはっきり聞いたのはこれが初耳だと書き留めている。橋に固有の名を持たぬ土地の言い回しを伝える、一つの言語習俗の挿話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。