村上・松林の墓に松を栽える
どんな伝承か
昨日の途上の所見として、岩船の近くで松林の中の墓地を見た。松の木に著しい大小の差があるので、よく見ると塚ごとにその上に松を植えるのであった。また大岩川とかいう所で葬式を見たが、行列の人々は皆白い襷を掛けていた。前日は瀬波の松山という所に最近開かれたという温泉場に泊まり、夕方は松林の中を逍遥している。この日は村上の町に移って赤阪屋小一郎方に投宿し、午前中は郡役所で講話をした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第3巻』は、柳田国男の紀行・日記・随筆を集めた著作集の一巻である。相模・武蔵の村々を歩いた「水曜手帖」、昭和二十三年八月の自序を持つ「北国紀行」、明治四十三年の「五十年前の伊豆日記」、国際聯盟の委任統治委員会に勤めた大正十一年の「瑞西日記」と「ジュネーブの思ひ出 その他」を収める。後半の「菅江真澄」は昭和十七年二月の序を付け、真澄の著述と旅の跡を年を追ってたどり、写真解説を添える。