雪を踏み分けて見た阿仁の白糸滝
どんな伝承か
四十九歳の年の十一月、真澄は阿仁の雪中にあって処々の山村を徘徊していた。十二月四日には一の渡を立って白糸滝を見物に行ったが、これは大変な冒険であった。三人の男を雪踏みに頼み、滝の根もとまで近寄って見物したのである。世に聞こえた名勝ではあるが、その雪中の壮観を記述した筆は空前絶後であろうと評されている。阿仁の白糸の滝の深冬の寂寞境は、この旅客を得て初めて歌となり画となった。尋常の遊歴文人ならば出て歩きもせず、第一こんな山奥へ入って行くはずもない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。