全村ことごとくマタギの村・根子
どんな伝承か
文化二年の八月、真澄は阿仁の川井を出て山村を巡り歩いた。七日には黒滝を見物して松沢村の山奥に入り、山路を越えて森吉村に至る。十日には森吉山に登り、楊木沢という山中の村に泊まった。十二日から十四日は戸鳥内・中村・打戸村・野尻・鳥越村と宿を移し、十五日には菅生・比立内・笑内を過ぎて山を越え、根子村に着いた。この村は全村が「またぎ」であった。地主の佐藤利右衛門の家に宿している。翌十六日には萱草・荒瀬を経て銀山に至り、館岡喜太郎の家に寓した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第3巻』は、柳田国男の紀行・日記・随筆を集めた著作集の一巻である。相模・武蔵の村々を歩いた「水曜手帖」、昭和二十三年八月の自序を持つ「北国紀行」、明治四十三年の「五十年前の伊豆日記」、国際聯盟の委任統治委員会に勤めた大正十一年の「瑞西日記」と「ジュネーブの思ひ出 その他」を収める。後半の「菅江真澄」は昭和十七年二月の序を付け、真澄の著述と旅の跡を年を追ってたどり、写真解説を添える。