投げるたび膨れる怪虫と白馬
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どんな伝承か
上郷村字細越の旗屋に、鶴という狩人の名人がいた。ある日、鶴は山へ狩に行き、マタギの法のサンズ縄を張り、焚火をして鉄砲を枕に寝ていた。夜半にふと目が覚めると、一疋の小虫が自分の方へ這い寄って来る。取って外へ投げるとすぐ引き返し、その度に体が大きくなっている。五、六度繰り返すうちに手では投げられぬほどになり、足で踏み潰そうとしても潰れず、踏むたびに伸びて、ついに一間余りの奇怪な大虫となった。鉄砲を撃っても弾は弾けて通らない。恐ろしくなって逃げると、来た道も山の様子も変わって深山に迷い込んだ。谷川に添って下り、倒木の橋を渡ると白馬が待っており、それに乗って家に帰り着くと、馬は元の方へ駆け戻った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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遠野市の伝承
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