五日市の杓子厭勝
どんな伝承か
今日の東京の市中では、戸口の上に杓子が打ち付けてあるのを到る所で見かける。宮島産と同じ小形の平杓子に、径二分ばかりの黒星を縦に三箇書いてあるものなどもあるが、普通は「くつめき御免」と書いてある。くつめきは「のどけ」、すなわち百日咳や気管支カタルのことだという。柳田が西多摩の五日市あたりで見たものには、「何の年の男又は女、十五になる迄くつめき御免」などと、念入りに趣旨が書いてあった。あるいはまた生まれ歳と男女だけを記したものや、「鎮西八郎為朝宿」などの類もあったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。