山ノ口村的野正八幡宮の大人彌五郎人形
どんな伝承か
日向北諸県郡山ノ口村の大字富吉、字的野にある円野神社は、古くは的野正八幡宮と呼ばれた社である。その十月二十五日の例祭には浜殿下りという儀式があり、朱の面をかぶって大小の刀を差した一丈余りの人形を作り、これを大人弥五郎と称する。人形は四つ輪の車に載せられ、十二、三歳の子供が大勢でこれを押して進む。隼人征討の故事にちなむものだと伝えられている。柳田は、この地方で大人弥五郎の故事を伝える神社がいずれも八幡である点に注目し、大隅正八幡宮すなわち鹿児島神宮の祭との関わりを見ている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。