津島神社彌五郎殿社と佐太彦宮
どんな伝承か
愛知県の県社津島神社には、境内社として弥五郎殿の社が祀られている。後世の社家は祭神を建速須佐之男命とし、弥五郎をそのままイヤイツヒコとも唱えていたが、塩尻の著者の説では、この地方の名族堀田氏の旧記に、祖先の弥五郎正泰が正平元年七月十三日に家の高祖である武内宿禰を祀ったのが始まりで、それゆえ社名を弥五郎殿と呼ぶのだという。柳田は、社の名は祭神の名に従うのが延喜式以来の慣例で、勧請者の名を呼ぶのは穏当でないと批評しつつ、応永十三年以来の遷宮棟札から社の古さは疑えないが、堀田家の旧記がどれほど古いかは確かめる術が無いと述べる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。