秋葉山大権現お札天降り届書
どんな伝承か
津島の郷土史家堀田喜慶の家には、慶応三年のお札降りを伝える古文書が残っている。卯年十月十五日付の届書の控えで、津島村の御目見医師若山東庵が、前日十四日の七つ時ごろ秋葉山大権現の札が自分の玄関先に来臨したと、佐屋路を支配する代官上田喜兵衛に届け出たものである。実際に陣屋へ出した本紙ではなく手元の控えで、同じ紙の後ろには諸物価の覚え書きが記されているという。
原典より
秋葉山大権現御札十四日七ッ頃私玄関先へ御来臨御座候 付此段御達申上候—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。