安芸宮島廻廊屋根の大足跡
どんな伝承か
一足の怪は熊野ばかりの話ではない。安芸の宮島でも、雪の朝に廻廊の屋根や舞台の上などに、常人の足を三つ四つも合わせたほどの大足跡が、一丈ばかり隔てて雪の上に印されていることがあるという。(芸藩通志十七)柳田国男は、宮島の方は左右の足で大股に歩いたのかもしれないと述べ、片足で飛んだのかもしれない土佐の「一つ足」と対比している。雪の中の足跡に右とか左とかがそう明瞭に分かるわけはないともいう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。