津久井内郷の狼の返礼
どんな伝承か
山村では狼の一族に限って、産見舞という慣習が近ごろまであった。諸国の山村には御犬岩などと名づけて御犬が子を育てる一定の場所があり、産があったという風説が伝わると、里では色々の食物を重箱に詰めてわざわざ持参したという話が珍しくない。津久井の内郷などでは、赤飯の重箱を穴の口に置いてくると、兎や雉子の類を返礼に入れて返したという。ただし狼の産婦が実際に貰って食べたかどうかは確かでなく、この話ももはや昔話に化し去ろうとしていると記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。