義経と弁慶が使った水馬用の燈
どんな伝承か
寿福寺の寺宝の一つ「燈」は、義経用と弁慶用の二具がそろった水馬用の道具である。義経のものは内側が朱塗りだったらしく、弁慶のものは黒漆塗りがはっきり残るが、どちらも鉄の部分は錆びて所々が腐っている。また、古くから伝わる折本の大般若経は、義経がこの寺に滞在したとき弁慶とともに欠けた箇所を書き補ったことで、いっそう値打ちが増したという。のちに鎌倉の左兵衛督氏満も虫食いを補修し、応永十四年には住職の覚印宗貞が寺の来歴を書き添えている。
原典より
「燈」は、義經用と辨慶用の二具で、共に水馬用のもの。—— 行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・1937年(昭和12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・1937年(昭和12年))
『行楽と史蹟の武蔵野』は、寺島裕が昭和十二年に著し、新生堂から発行した武蔵野の史跡探訪記である。狭山丘や山口貯水池の周辺から、行田・粕壁・生田・淀橋・中野・柴又・多摩御陵などの社寺、城址、古戦場、塚を歩いて訪ね、交通の便とともに由緒や伝説を記す。小橋一太と新井堯爾の序文、著者の自序を巻頭に置き、前著「史蹟の武蔵野を探ねて」に続く行楽案内として土地ごとの短い節を連ねる。