四谷怪談の戸板返しの小川
どんな伝承か
筆者が初めて青山練兵場を訪れた頃、そこは薄い雑草が赤土の起伏をわずかに包む荒れた原で、彼方には日本に稀な名木「ひとつばたご」の老樹が一株こんもりと茂っていた。江戸時代にこのあたりが青山六道辻に当たったので、その木は六道木とも呼ばれていたという。その頃はまだ千駄谷名物の「おなか団子」もあり、「四谷怪談」の舞台で観客を慄然とさせるあの「戸板返し」の小川も、茨と雑草に覆われて練兵場の西側をさらさらと流れていたと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・昭和初期(1920年代~1930年代))