水の少なさが伝説を生んだ浅川
どんな伝承か
大正天皇の多摩陵へ通じる表参道は、甲州街道から北へ百五十メートルほど行ったところで一本の川を渡る。畑の中を西から東へ流れるこの流れが浅川で、水のきわめて少ない川である。その水の乏しさが、弘法大師にまつわる伝説を生んだのだと伝えられている。川の上には長さ五十メートル余りの南浅川橋が、緩やかな弧を描いて架かっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・1937年(昭和12年))
『行楽と史蹟の武蔵野』は、寺島裕が昭和十二年に著し、新生堂から発行した武蔵野の史跡探訪記である。狭山丘や山口貯水池の周辺から、行田・粕壁・生田・淀橋・中野・柴又・多摩御陵などの社寺、城址、古戦場、塚を歩いて訪ね、交通の便とともに由緒や伝説を記す。小橋一太と新井堯爾の序文、著者の自序を巻頭に置き、前著「史蹟の武蔵野を探ねて」に続く行楽案内として土地ごとの短い節を連ねる。