池の大蛇を浄土へ導いた蓮如
どんな伝承か
『蓮如上人御一代記』に見える話。河内国出口村で教化していた蓮如が道場を建てる土地を求めると、村人は田地を差し出そうとしたが、蓮如は田をつぶすのは惜しいので耕せない土地がよいと言った。そこで、昔から人を喰い田を荒らす大蛇が棲むという池を埋めることになった。蓮如が池へ行くと二丈ほどの大蛇が現れ、蓮如はここに堂を建てれば毎日仏法を聞けて苦しみを逃れられると諭した。その夜、四十ほどの美しい女房に化けた大蛇が訪れ、自分は東のいもり山の猟師の妻で、嫉妬心が強いため蛇身になったと語って池を譲った。三年後、大蛇は浄土に生まれ変わったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦)
『異界巡礼』は、小松和彦が著した民俗学の論集である。狐が人に化ける方法と如意宝珠、蓮如絵伝の異人、鬼退治譚と怨霊、家の盛衰をめぐる民話、夢信仰、巫女と陰陽道、洞窟や龍宮の他界観、人を神に祀る信仰、神隠しなどを、昔話・説話・絵巻・お伽草子と高知県物部村などでの調査をもとに論じる。論考と随想を部に分けて並べ、「民俗のランドスケープ」の部には妖怪、凧上げ、祓い、霜月祭り、呪い人形をめぐる小文を収める。