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弁財天に見初められた馬子市太郎

所在地愛知県豊川市(三明寺)
年代伝承(口承)
登場市太郎、加茂村の馬子・弁財天に見初められた
出典日本の妖怪伝説

どんな伝承か

三明寺の弁財天には、力寿姫の話とは別にもう一つの伝えがある。三明寺から一里半ほど東の加茂村のはずれに、孝行者で声の美しい馬子の市太郎がいて、毎夜馬子唄を歌いながら村道を帰るのを自慢にしていた。ある夜、三明寺の池のほとりで見知らぬ美しい女に呼び止められ、ずっとお慕いしていたと告げられた。市太郎は女を近くの六角堂へ伴うと、古びたお堂の中はいつの間にか色鮮やかな寝所に変わっており、二人は一夜を共にした。明け方、女は自分は三明寺の主の弁財天だと明かし、口外すれば命をもらうが黙っていれば一生守ると約して去った。だが市太郎は二、三日後に友人へ話してしまい、その場で倒れて息絶えたという。

原典より

だが余りの嬉しさに二、三日後、うっかり市太郎は友達にこのことを喋ってしまった。—— 日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年))

『日本の妖怪伝説』は、小笠好恵が各地に伝わる奇談・怪談を読み物にまとめた伝説集で、序は昭和四十一年五月付である。浅茅が原の一つ家、四谷怪談、九尾の狐、安達が原の黒塚、道成寺、鍋島の化け猫など、岩手から熊本までの四十五話を、伝えられた形をなるべく崩さずに書き直し、おおむね東から西へ並べる。雨月物語や小泉八雲など書物に拠る話のほか近年の体験談も混じり、一部の話の末にはゆかりの寺社へ行く「順路」を付ける。

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