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大蛇となって夫を狙った菊野の亡霊

所在地岐阜県揖斐郡揖斐川町桂(釜が石)
登場花木藤内、菊野、妻を斬り大蛇を退治した武士、密通して斬られ大蛇となった妻
出典日本の妖怪伝説

どんな伝承か

室町時代の初め、美濃国揖斐川の里桂に住む武勇の士花木藤内は、後妻に迎えた菊野がほかの男と密通しているのを見つけ、その場で菊野の首をはねた。その後、菊野の亡霊が夜更けに現れて恨みを晴らすと告げ、翌朝からは何事もなかったように家事をして暮らし、一周忌から三周忌まで心配事はないかと問い続けたが、藤内は隙を見せなかった。亡霊はついに大蛇となって仇を討つと言い残して去る。のち峠で白狐に導かれた藤内は大蛇を射落とし、数年後には大釜に潜んでいた大蛇を煎り殺して埋め、印の石を置いた。これが釜が石で、ウワバミ石ともいい、上が平らで荷を背負った者がもたれて休むので休み石とも呼ばれる。そのころは大きな石をこのあたりの地面に打ちつけると地中で釜の鳴る音がしたが、江戸中期には聞こえなくなったといい、これが桂の休石の話である。

原典より

これが現在「釜が石」といわれている石で、また一名「ウワバミ石」とも言う。—— 日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年))

『日本の妖怪伝説』は、小笠好恵が各地に伝わる奇談・怪談を読み物にまとめた伝説集で、序は昭和四十一年五月付である。浅茅が原の一つ家、四谷怪談、九尾の狐、安達が原の黒塚、道成寺、鍋島の化け猫など、岩手から熊本までの四十五話を、伝えられた形をなるべく崩さずに書き直し、おおむね東から西へ並べる。雨月物語や小泉八雲など書物に拠る話のほか近年の体験談も混じり、一部の話の末にはゆかりの寺社へ行く「順路」を付ける。

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