化け松 (2)
どんな伝承か
行徳の志村とみが語る。提灯を置いて逃げて来たのは婆さんではなく爺さんのほうだという。ゲンコの爺さんは大工で、仕舞い仕事に酒を一杯ご馳走になった帰りのこと。四丁目を曲がろうかと思ったがここは淋しいと考え、三丁目にしようかと思ったがそれも曲がれず、とうとう二丁目まで来てしまった。すると化け松の下で提灯をつけ、雨がぽつぽつ降ってきたので傘を借りて来たところ、提灯の中に青い顔がぽうっと覗いた。爺さんは提灯も傘も道具箱もその場に放り出し、腰を抜かして石橋まで、四軒町までころころ転がって来たという。四軒町からゲンコへ知らせが行った。
原典より
提灯置いて逃げて来たのは、お婆さんじゃねえだよ、お爺さんだよ。—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊)
市川民話の会編『市川の伝承民話 第1集』を全206話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。