漁師が刺子にするぼろを買う八幡のボロ市
どんな伝承か
国分の話者が子供のころ楽しみにしていた八幡のボロ市の話。九月十五日に立ち、文字どおりぼろ布を売る市だった。農家の子供は玩具や食べ物を買って食べたが、漁師町など海辺の人々が買いに来るのが特徴で、どんな古布でも縫い合わせて刺子にし、それを着て海苔採りや漁に出た。昔の消防士が着た刺子と同じで、綿は今のビニールより厚く暖かいので、どんなぼろでも皆が買って行った。古道具など何でも並んだという。
原典より
八幡のボロ市ってえのは、私ら子供の時に楽しみでねえ、九月の十五日ですよね。—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。