百合姫を祀るじゅんさい池の池っ端弁財天
どんな伝承か
曽谷氏の姫であった百合姫が身を投げたのが曽谷のじゅんさい池だと伝えられる。今そこには姫を「池っ端弁財天」として祀ってあり、周囲の池は市が埋め立てて無くなっている。じゅんさいは三百年を経た池でないと生えないといい、昔は広い池でじゅんさいが採れた。このあたりは入海で、丸木舟が出たこともあるという。一帯は寄居台とも呼ばれ、そばに根古屋があるので、百合台・根古屋という屋号の家がある。弥平太という屋号もあり、そこが水軍の長であった梶尾弥平太の屋敷跡だという。室町時代の争乱で曽谷でも何度か戦があったと語られる。
原典より
百合姫っていうお姫様がいてね、曽谷氏の姫なんだが、その人が身を投げた池が、曽谷のじゅんさい池ですよ。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。