① 下貝塚の地形と作物
どんな伝承か
下貝塚は、神社の周りに今も貝殻が散らばる土地だという。話者によれば、このあたりの低地はかつて海に面し、屋敷の裏手も入江になっていたと伝わる。船橋市の前貝塚・後貝塚、野田や関宿方面の上貝塚と並ぶ貝塚地名の一つで、対岸の曽谷にも曽谷貝塚がある。畑地はもっぱら梨畑と野菜畑で、麦や陸稲も作っていたと、地元に生まれ育った話者が振り返る。
原典より
貝塚だけが、今でも神社のまわりに貝がらがありますけど。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。