戦争中の行徳橋下のわたり蟹
どんな伝承か
戦争中、蟹を捕る若い衆はみな兵隊に取られていなくなり、行徳橋の下にはわたり蟹がいっぱいいたという。話者は町会議員をしていた祖父の伝次郎に頼まれ、バケツを提げて川に入り、蟹を踏みつけては素手でつかまえ、五、六匹をたやすく捕ってきたと方言交じりに振り返る。方言でものを言うと相手に通じないこともあると話者は付け加えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年))
『市川の伝承民話 第7集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十一年に発行した民話資料集である。平成四年度から六年度にかけて市川市の柏井・須和田・宮久保・原木・稲荷木と国分高校ほかで行った採訪の聞き書きを、話者の息継ぎや方言を残したまま収める。世間話・伝説・昔話・唄と諺・年中行事・生活譚・現代若者の学校話の七部に分け、巻末に話者紹介と会員の採訪記、あとがきを付す。