漂着した姫が伝えた房州の花のはじまり
どんな伝承か
花園天皇の時代、天皇が寵愛していた姫を武家の圧力から逃がすため、小舟に乗せて京から淡路島へ送ろうとしたが、舟は途中で遭難し、遠く房州の和田浦に流れ着いた。姫は迎えが来るまでこの地に滞在し、そのとき持っていた黄色い美しい花の咲く草を村人に分け与えた。これが房州の花の始まりだといい、姫の住んだ場所は花園木花台と呼ばれるようになった。江戸時代の中頃からは鋸南町元名の元名水仙などが売り物として作られ始め、房州の花が広く知られるようになった。
原典より
花園天皇の時代、天皇が愛していた姫を武家政治の圧力より逃避させるため、その姫を小舟に乗せて京都から淡路島に送る途中で遭難し、舟は遠く房州の和田浦(安房郡和田町)に漂着した。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。