高滝の娘
どんな伝承か
『沙石集』に記される熊野信仰の話。上総国高滝(市原市高滝)の地頭が一人娘を連れて熊野に参拝した折、祈禱師の房に泊まると、地頭の娘を見た若い僧が恋をした。地頭の帰国を追って神奈川県六浦港まで来た僧は、船出を待つ間に眠り、夢の中で娘と結ばれ三人の子をもうけ、長男が元服のため鎌倉へ渡る海上で我が子を失ったところで目が覚めた。若僧は人生もまたこの夢と変わらないと悟り、そのまま熊野へ帰って精進し、立派な僧になったという。
原典より
房総の熊野信仰で名高いのは『沙石集』に記されている上総国高滝(市原市高滝)の地頭が、熊野へ参拝したおりのはなしだ。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
編『房総の年輪』を全93話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。