トップ > 東京都の伝承 > 新宿区

斬りつけられた跡の残る青石

所在地東京都新宿区矢来町(酒井若狭守下屋敷跡)
年代江戸時代
登場酒井家の武士
出典新宿と伝説

どんな伝承か

矢来町の酒井若狭守下屋敷には、三代将軍家光が名づけた長安寺や刑場などがあり、寂しい場所だった。裏通りはことに薄気味悪く、夜は人通りが絶えていたという。ある夜、酒井家の気丈な武士が提灯を提げて通りかかると、怪しい人影が仁王立ちになって行く手をふさいだ。武士が抜き打ちに斬りつけると、その姿はかき消すようにいなくなった。翌朝あらためて探したが、そこにあったのは大人ほどの高さの青石で、刀でえぐられた跡が残っているだけだった。話を聞いた酒井若狭守は武士の勇気を称え、後世に伝えるためこの石をそのまま残させたという。今その石はない。

原典より

時代 江戸時代(年代不詳)矢来町の酒井若狭守下屋敷には、三代将軍家光の名づけた長安寺や刑場などがあって寂しいところであった。—— 新宿と伝説(新宿区教育委員会・1969年(昭和44年)) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

新宿と伝説(新宿区教育委員会・1969年(昭和44年))

『新宿と伝説』は、新宿区教育委員会が昭和四十四年に編んだ区内の伝説集である。カッパが出る坂、四谷怪談のお岩、矢来町の化け石、女幽霊が掘った清水など、牛込・四谷・戸塚大久保・新宿・淀橋柏木落合の各地に伝わる六十二の伝説を、江戸の地誌や随筆などから採って収める。第一章で伝説の分布と型を概説し、第二章では地域別に、各話へ場所・時代・出典・解説・参考書を添える。

種別から探す

化け石武士肝試し青石

新宿区の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『新宿と伝説』の伝承