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榊に忘れた財布と旅人の祟り

所在地千葉県茂原市本納(橘神社)
年代伝承
登場旅人・家の主人
出典日本伝説叢書 上総の巻

どんな伝承か

昔々、この村の端を通りかかった一人の旅人が、街道の入口のとある家を訪ねて用を足させてくれと頼んだ。家人が承知したので礼を言い、首に懸けていた財布をはずして庭の榊の木にかけ、用を済ませた。ところがその大切な財布を榊に懸けたまま忘れて去り、この家の主人は儲け物だと隠してしまった。後で気づいて取って返した旅人が、財布を取っておいてくれたかと尋ねても、主人は知らぬとばかりで取り合わない。旅人は、あの金は自分の金ではなく御公儀の御金だからこのままでは申し訳がないと、家の裏の山を越えて川へ身を投げて死んでしまった。それからこの家は、しょっちゅう必ず眼病に罹って病むということである。

原典より

昔昔、此村の端を通りかつた一人の旅人があつたが、街道の入口のとある家を尋ねて、どうか用を足してくれと頼んだ。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))

『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。

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