童子と光に助けられた平良文と妙見信仰の起こり
どんな伝承か
千葉町の妙見社すなわち千葉神社は、天之御中主神を祀っている。「千葉記」等の古記録によると、千葉氏の祖平将門が伯父を殺したとき、これを討とうとした常長は敗れて帰り、次いで平良文が上野まで誅討に出たが勝敗が決しなかった。常長らは積雪深い上州の山中に逃れて敵兵に囲まれ、自害しようとしたが、一人の童子の進言で兵をまとめ直した。そのとき雲の中に光るものが現れ、良文方に数千の伏兵が起こったように見えたので将門は退いた。再戦の際には金色の冠に白妙の袴を着けた童子が傍らに現れて瞬く間に消え、良文は勝利を得た。その夜の夢に北辰の妙見が現れ、一族を天下の守護神たらしめようと告げたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。