道誉上人が蛙を諭した大巌寺の不鳴池
どんな伝承か
生実の城主原胤栄が創建し道誉上人が開いた寺は、浄土宗の関東十八檀林の一つである。境内の裏手の山林に古い池があり、昔は蛙が棲んで晩春には騒がしく鳴いた。その声が、修学のために寺に集まる僧たちの研鑽を大いに妨げたので、道誉上人はこれを憐れみ、自ら池のほとりに下りて、衆生を諭すように蛙に鳴くのをやめるよう説いた。それ以来蛙は声を絶ったと伝えられ、この因縁から池は不鳴池と呼ばれるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。