十九夜に女たちが集う発作の子安講
どんな伝承か
印旛郡大森町発作では十九夜を十九夜講と呼び、毎月十九日の夜に講を催す。同じ村の鷲谷では十九夜様と呼び、十九日か農休みの日に開く。松戸講というものは子を産む年頃の女たちで作る講で、順番に宿を回し、毎月二、三升ほどの米を持ち寄って飲食する。いわばおしゃべりの場で、土地の噂話に興じて夜を更かすこともある。宿の家では床の間に松戸講の掛物を掛けるが、これは子安地蔵の像らしい。講の本尊は如意輪観音である。船橋町の婦人講は盛んで、毎月十九日に集まって三味線や太鼓で夜通し騒ぐことも珍しくなく、子安講と呼んで三月と十月の年二回祭りをし、宿へ集まるとき折目に松葉と南天を挿して持参するのが特色だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。